想像すらも越えた世界

楽しまなきゃ損じゃない?

私がアイドルに求めたもの V6デビュー21周年によせて

11月1日。

私の人生の中でこの日が特別な意味を持ち始めてから4年が経った。

V6のデビュー記念日を祝うのはこれでもう4回目...やっと4回目だ。

 

改めて考えても飽きっぽくて芸能人に無関心だった私がこんなにも何かに夢中になるのは奇跡的で運命的なことだった。

 

6人揃うレギュラー番組はないし、コンサートツアーも2年に1回。年に1度のシングル発売時や季節の音楽番組でメディアに出ても派手なことはせず、出番が終われば後輩の後ろへ後ろへと隠れたがる人たち。ファンじゃない人からすればV6ファンは何が楽しいのかと思うのだろうか。でもV6は私が応援したいと思える条件を満たした稀有な存在のアイドルだ。

 

 

多くの人々が憧れ目指そうとする芸能界。そんな世界に生きることが許され、同年代の人々よりもはるかに多くの収入を手に入れられる彼らは並外れた"芸"を身につけていて当たり前だと思うし、私は応援するなら才能にあふれた人でなければありえない。身の回りで彼氏を作るのとはワケが違うのだから、気に入らないところがあればこっちはいつだって次の人に乗り換えることが可能なのだ。だから私はうちの子〇〇できなくてかわいい~なんて感覚はあまりない。容姿に関しても、整った容姿も才能だと言われるしテレビに出てるからにはイケメンや美女のほうが見ている側としては断然楽しいしそれなりに頑張ってそのビジュアルを維持しているのには敬意を表すけれど結局自分の力だけで手に入れたものではないから、すっごい顔が好みってだけで自分の彼氏でもないのにわざわざお金をかけてまで応援したいとは思わない。*1

アイドル本人たちよりはるかに少ない自分の給料の中から大金かけて各地の現場に駆けつけたり商品・グッズ等を買っているのだから、それに見合う価値の人間でなくては困ると思ってしまう。その思いを満たしてくれたのがV6だった。*2

 

今のV6のライブは派手な衣装もムービングステージも大きなセットもJr.のようなバックダンサーもなくて本当に6人の存在だけで勝負している。もちろんV6が若かった頃はフライングもしたしギラギラ衣装や派手なセット、バックで踊るいまや立派なアイドルに成長したかわいいJr.達の姿もあった。泣けるほどに美しい水や特効を使った演出もたくさんあった。またやってくれるのであればまた見たいけれど、V6が独自の路線を明確に歩みだしたと言われるのはやはりそういったものをなくしてからだった。衣装やセットもアイドル自らデザインする時代だけれど完成まで100%自分でやるわけではない。それは飾りであってアイドル本体ではない。一番すごいのは衣装さんや大道具さんであってV6ではない。しかし彼らは身ぐるみ全部はがされても歌える喉と踊れる身体さえあれば圧倒的なパフォーマンスができた。そして彼らはV6を好きになった人たちが一番に愛し求めるのもそこなのだと知っていた*3。俺達はダンスグループ、吐くまで踊るのが仕事*4、「僕らから踊りをとったら何が残るんだ、僕らは踊らないとみんなみたいにやっていけない*5」。そう言った彼らに私は自分の少ないアルバイト代をかけてもいいと思った*6

 

ジャニーズJr.にダンスを教えるサンチェさんが言った「森田剛が1番踊れるのは、人一倍努力しているからだ」という言葉が好きだ。自分の目指した道で認められ1番の称号を与えられ唯一無二の存在になるには生まれ持った才能よりも何よりも努力がものをいう。そんな努力をできる彼らが好きだ。6人が目指したそれぞれの道にはいろんな才能を持つ人が溢れていて、でもその中に埋もれることなく評価されるようになった彼らが好きだ。彼らのバックにあるジャニーズ事務所の力を持ってすれば一生食うのに困らない程度の仕事はもらえるけれど、そこにしがみつかず、ある時は強大すぎる事務所の名を足かせとさえ思って*7自分の力で仕事を取れるように進んできた姿が好きだ。それでいてひけらかさずにあくまでも地味に静かに存在し続けるところに惚れ込んだ。

 

そうはいっても生のV6(集合体)に会える機会が少ないのに私がファンでい続けられるのには彼らの言葉によるところも大きい。彼らから発せられる言葉に会えない時間なんて全部どうでもよくなる。それが全て虚像だとしても*8。V6のファンは特別礼儀正しくて、温かくて、厚くて…そんな言葉を本人たちが並べるのはもちろん自分のファンなのだから特別に見えてしまう部分もあるのだろう。しかし「V6を一度好きになったら後悔させない」、「「V6のファン」と言ってくれる人たちが周りに「何で?」と言われないように」*9というような言葉の数々から彼らの誠意は十分すぎるほど伝わってくる。ゴールデンの冠番組を失ってメディアの露出が格段に減り、物事に"終わり"があることを痛感した彼らはファンの大切さを誰よりも知っていて誰よりもその感謝をあらゆる手段で伝えようとしてくる。

ただの仲良しグループではいられなかった時代を越えて大人になった6人はメンバーとの絆もファンとの絆も大切にしてくれる。せっかくテレビに出ても、仲良くないしご飯行かないし連絡先知らないと言ったり、嫌いですを連呼しだす人もいて、アイドルってもっと実際の仲の良い悪いに関わらず俺たち仲良いですアピールしてファンを増やす商法が一般的なのにどんな無法地帯だとツッコミどころ満載なのだが、本人たちのあずかり知らぬところで、「今まで数多くのジャニーズグループと仕事してきて1番こいつら本当に死ぬほど仲良いんだなと思ったのはV6」*10とテレビ向けではない素顔を暴露されてしまったりするV6。彼らのそんな大人の距離感がたまらなく好きだ。なんの躊躇いもなく全員が死んだあと当たり前のように天国でもV6を続けるつもりでいる発言をする彼らを見ていると底知れぬ安心感が与えられる。彼らの行動言動すべてが、デビューから掲げられ続けている"since1995〜forever"を真実にしてくれる。永遠なんて存在しないようなこの世界でいとも簡単に私たちに永遠を信じさせてしまう。本当のことなんて分かってほしい人に分かって貰えればいいという考え方があるが、V6はまさにそんなスタンスだ。今更特別ファンを増やそうとしているようにも見えないし好きと言ってくれる今のファンがいればいいようなそんな感じ。だけれど好きになったら最後、後悔どころかこんなに幸せをもらって大丈夫なのかと逆に不安になるくらいV6と彼らを取り囲む環境全てが愛にあふれている*11

 

デビュー時からあるV6の唯一のルール、「楽しもう」

まわりが見えなくてひたすらに突っ走った時代を抜けて年齢を重ねた今、彼らは肩の力が抜けて全力でV6であることを楽しんでいる。20周年を越えてもいつだって斬新で挑戦的なことで私たちを驚かせてくれる。この歳になってもまだ新しい壁を破って時代の先駆者でいてくれる彼らから目を逸らせない。これからも何が起こるのか想像がつかなくて片時も目が離せないと思ってしまう。

三宅さんがよくコンサートで言ってくれる「同じ時代に生まれたことをうれしく思う」「たくさんのグループがいる中で僕たちを選んでくれてありがとう」そんな言葉がいつもふと思い出される。

誰かを応援する喜びを知れたのはやっぱりV6と同じ時代に生まれたからだ。世界にはたくさんのアーティストがいて、V6よりすごいグループなんて本当にたくさんある。でも私にはV6しかいない。たくさんグループがいる中で私の前に現れてくれてありがとう。その魅力で惹きつけて離さないでいてくれてありがとう。私たちはこの世界でV6を見つけられて選んだことに誇りを持ってる。

 

平均年齢40歳のV6が私には世界で一番のアイドルだ。

 

20周年の代々木でリボンシャワーに包まれた桃源郷を見てから私はずっとこれが一生で最後の恋だと思ってしまっている*12

そして30周年にはそれを越える世界を見せてくれると信じられることが幸せだ。

 

 

V6デビュー21周年おめでとうございます。

22年目もいつもの調子で歩んでください。

 

10年、20年、そして30年、40年、その先もずっっっっと一緒に楽しもう!!!!!!

*1:イケメンは大好きです。

*2:こう書くと他の芸能人を否定してるみたいに思われるかもしれないけど私は他にもゆるっと応援してる方はいるし芸能人はみんな私にはできないような努力をしてて尊敬してます

*3:ファンサマシーンなV6は大好きだけれどアンコールでさえお手振りから始まるのではなくとりあえずメンステやセンステで激しく踊ってからっていうところが私はV6らしくて好きだったりする

*4:c.f.三宅健「基本的に自分たちが、これ以上いったら吐いちゃうんですけどっていうくらい踊って、そのぐらい踊ってファンの人にはちょうど良いというか、満足度が満たされるっていう事だと思ってるんですよ僕は。だから僕はいつも踊ろう踊ろうってとにかく踊りまくって、極力ね、もちろん外周に行って近くに行ってあげるのも大事だけど、歩いたりとか、お手振り曲を減らしましょうっていうのが僕の思いなんですよね。」

*5:坂本昌行さんの言葉

*6:客観的に見てもV6ファンは良質なコンテンツに関してはすぐに「金なら出す」と口走りがちな気がする

*7:反抗期の岡田さんとか特にそうだったっぽい

*8:c.f.三宅健「テレビに出てる人なんてみんな虚像なんだから」

*9:井ノ原快彦さんの言葉

*10:書評家、インタビュアー吉田豪氏の言葉

*11:これを私はコスパの高いアイドルと呼んでいる

*12:あそこで「一生で最後の恋」を流すスタッフずるすぎる